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みのだ社労士FP事務所

一人親方のための健康保険の選び方

目次

概要

この記事では、建設業従事者である一人親方の方に向けて、健康保険の選び方、特に「建設国保」と「協会けんぽ(別名:社保)」の比較について解説していきます。

健康保険とは

健康保険とは、端的には3割負担で病院にかかるための公的保険です。
国民皆保険制度により皆何らかの健康保険に加入しています。
なお、業務上の病気やケガの保障である労災保険は別の話ですのでご注意ください。

健康保険には大きく分けて
①個人事業主が加入する「国保」と
②会社員や法人役員が加入する「協会けんぽ(別名:社会保険、社保)」、があるほか
③一人親方には「建設国保」の選択肢があります。

この記事では、現在一人親方の方が、③「建設国保」と②「協会けんぽ」のいずれに加入するかについての情報を案内します。

なお、「協会けんぽ」は会社員や法人役員が加入するものですので、個人事業主ではなく法人化することが前提となります。よって「建設国保」VS「協会けんぽ」は、「個人事業主」VS「法人化」の比較の中の一部となりますので、まずは法人化についておさえておく必要があります。

「個人事業主」VS「法人化」

法人化のメリット、デメリット、税務上の法人化タイミングの目安は次の通りです。

法人化のメリット・デメリット
税務上の法人化タイミング(目安)

年間所得が1,000万円を超えた時
所得税と法人税の税率差から、法人化した方が節税になると言われています。

「建設国保」VS「協会けんぽ」

それでは個人事業主の「建設国保」と法人役員の「協会けんぽ」を比較していきます。
比較の材料は保険料と給付内容です。

保険料

1.「建設国保」での試算
条件:30歳~40歳、一人親方、家族加入3人(35歳、7歳、5歳)
保険料:月額48,700円(建設国保HPにて試算)

2.「協会けんぽ」での試算
条件:30歳~40歳、法人役員、扶養家族3人、福岡
保険料は役員報酬に応じて次のグラフのオレンジ線のようになり、
上記の建設国保と比較すると月額の役員報酬47万円が損益分岐点となり、
また役員報酬30万円で比較すると保険料の差額は17,650円になります。

3.年金保険料に関する注意点
「建設国保」には「国民年金保険」がセットに、
「協会けんぽ」には「厚生年金保険」がセットになっています。
「国民年金保険料」を試算すると配偶者分負担で月額33,960円、
「厚生年金保険料」を試算すると配偶者扶養内で役員報酬30万円だと月額54,900円となります。
保険料は増えますが、厚生年金保険の給付の内容は、国民年金保険の完全上位互換となっているため、
年金保険について保険料を高い安いと比較をすることは適当ではありません。

給付内容

1.傷病手当金
健康保険の給付内容で重要なポイントは、傷病手当金の有無です。
傷病手当金とは、病気やケガで働けなくなった時の保障であり、
月額の3分の2が最長で1年6か月支払われるものです。
例えばメンタル疾患などは長期間働けなくなるリスクも高く、傷病手当金が命綱となります。
傷病手当金は「建設国保」にはなく、「協会けんぽ」特有のものとなっています。

2.健康情報
一方で「建設国保」のメリットとしては、建設業従事者に特化した健康情報が比較的充実していることが考えられます。しかし保険料や給付内容に比べると、健康情報の充実さも重要ではありますが優先順位は劣るかもしれません。

まとめ

・一人親方の健康保険には、「国保」「協会けんぽ」「建設国保」の選択肢がある。
・「協会けんぽ」は法人化が条件
・「建設国保」には国民年金がセット、「協会けんぽ」には厚生年金がセット
・「建設国保」は、年齢と家族加入者数等により保険料が変わる
・「協会けんぽ」は、年齢と役員報酬の額により保険料が変わる
・今回の試算条件では、役員報酬47万円以下ならば「協会けんぽ」の方が保険料安い
・「協会けんぽ」の給付内容には傷病手当金がある。

以上となります。
福岡、糸島、唐津で、一人親方の方が健康保険を検討する際は、みのだ社労士FP事務所にご相談ください。

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